銀太郎広告アリ全ページ
11/29

二 銀太郎 支部大会へ 全昭和食品労働組合では、中央大会代議員はそのまま支部大会の代議員も兼ねていた。支部大会は中央大会のミニチュア版といったところである。中央大会後の九月、最終の土曜日に一日の日程で開かれた。会場は会社がある宇都宮市の市民センター会議室であった。 支部大会の代議員は組合員十五人に一人の割合で選出されることになっており、銀太郎の職場では選挙で三番目に入っていた配送課の事務員をしている石川純子が代議員として出席していた。 石川に聞くところによれば、本来なら選挙で次点だった藤原さんがなるはずだが、 「もう勘弁してくれ。焼肉おごるから」と藤原が言うので、晩飯のご馳走とバーターで交代させられたということだった。 銀太郎は、(そんなのも、ありなのかよ)と、組合組織のいい加減さにあきれてしまった。 また、全昭和食品労働組合では、中央大会の代議員は一年間各職場の代表として職場委員を兼務することを、支部大会で知った。 栃木支部では月一回、支部執行部と職場委員を交えた支部委員会が、夕方五時半から組合事務所の会議室で開かれていた。職場委員になった銀太郎はこの会議に出席しなければならない。いつもなら早朝五時に出社のため、遅くとも午後の三時には仕事が終わる。それからすぐに帰れるのに、この日は会議の時刻まで待っていなければならない。金曜日の夜が多いとは聞いたものの、寮の仲間との遊びには付き合えなくなる。 石川が言うには、 「支部代議員の場合は、支部大会一回だけの参加で、お役御免になるってことを藤原さんが教えてくれたのよ。その日は予定も別になかったので引き受けたってわけ。上ミノと特選カルビをお腹いっぱい食べさせてもらっちゃった」 いい気なもんである。 [安全衛生委員会] 労働災害の防止のための危害防止基準と管理体制を定めた労働安全衛生法という法律によって、事業所内に設置を求められているものである。会社と労働組合が双方から委員を選出して、この任務を遂行するための委員会である。 [労使協議会] 労働組合の代表と使用者(経営者)が、企業経営上の諸問題とりわけ労働者の雇用・労働条件や生活上の利害関係に直接・間接に影響する諸問題について、情報や意見交換する任意の常設機関であり、多くの組合で中央や支部の各段階で開かれている。 十月の第一週の金曜日、第一回の支部委員会が栃木支部の組合事務所の会議室で開かれた。 会議室には軽い夕食のためのサンドイッチと自社の牛乳が用意されている。 「気配りが、すごいなあ」と銀太郎は感心したが、ベテランの執行委員の鈴木は 「毎回これじゃ飽きるよなー」と辛辣である。 この会議で、全昭和食品労働組合では大会後の秋のシーズンに毎年、職場点検活動というのが行われることを銀太郎は知った。 職場委員は、職場集会を開いて現場の組合員の声を聞き、自分で点検箇所を調べて、十一月度の支部委員会に報告することを、市川書記長から指示されたのだ。 特に、職場の中の安全・衛生に関して問題のある個所はないかどうかを調べて、それを組合で集約し、会社に対して安全衛生委員会や労使協議会で改善を求めるということだった。 職場討議・集会の進め方 -ユニオンリーダーのための行動コミュニケーション論- 著書:西尾 力 / B5版 59頁 定価 1,000円(税込) ユニオンリーダー実践マニュアルpart1 組合活動の品質(価値)を決める決定的瞬間!それが職場集会! 職場集会をもっと充実させる為に、司会のユニオンリーダー必読のノウハウ本!

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です